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「岩手大学における生成AIの利活用に関する基本方針」について

掲載日2024.02.15
ニュース

本学では、生成AIの利活用について、次のとおり基本方針をとりまとめました。
本学構成員は、生成AIの利活用について基本方針に則り、適切に利活用してください。


岩手大学における生成AIの利活用に関する基本方針

凤凰体育平台6年2月13日
国立大学法人岩手大学

生成AIは今後ますます一般化し、我々の生活で広く使われるツールとなっていくと考えられます。岩手大学の生成AIの利活用に関する基本方針は以下の通りとします。

  1. 考え方の基本
    今後広く生成AIが利活用されていくであろうことを踏まえ、その使用を一律に禁止することはしません。AIリテラシーを教職員?学生が身につけ、教育?研究?業務や学修において生成AIを適切かつ積極的に利活用しましょう。
  2. 全体的な注意点
    生成AIを利用する場合、以下の点にご注意ください。
    1. 機密情報や個人情報の入力
      生成AIに入力した情報は保護されるとは限りません。入力した情報が生成AIに学習?蓄積され、結果として外部に公開される恐れがあります。情報の流出?漏えい等の危険性があるため、例えば、機密情報(会議資料?研究データ等)、個人情報(学生や教職員等)、未公開の論文、入学試験問題の草稿などを入力してはいけません。
      これに該当しない場合であっても、生成AIに入力した情報は取り消し?削除ができないと考えて利用しましょう。
    2. 著作権?権利関係
      生成AIは、学習したデータに基づき出力を生成しています。従って、生成AIが学習に用いた他者の著作物を基にして、これに類似した文章?画像?音楽等を出力することがあります。生成AIの出力が、他者のアイディアを侵害し、各種権利関係を侵害していないかについて、よく確認して利用する必要があります。
    3. 生成AIの出力の吟味
      生成AIの出力は、不正確であったり、不適切であったりする場合があります。また、時として同一出力内に矛盾する情報が含まれる場合もあります。したがって、必ず一次情報源などを参照して、正確な情報か否か、適切な記述か否かの裏付けを取ることが望まれます。
      また、情報モラル?リテラシー?倫理的に問題がある出力がされる場合もあります。出力結果を盲信せず、批判的に読み解く態度が必要です。
    4. 生成AIの利用規約?許諾の確認、学内規則や各種学内指針
      利用するAIツール毎に利用規約が違います。利用するツールの利用規約?許諾をよく確認してから利用してください。入力した情報が保護されないこともあるので、利用する前に確認しましょう。
  3. 教育?学修での利用[学生]
    • 適切な利用であれば、生成AIを学修時に利用すること自体は妨げません。
    • 生成AIの出力をそのままレポートにしてはいけません。ただし、講義によっては、生成AIを活用した情報探索やまとめ等を求める場合もあるので、担当教員の指示に従ってください。
    • レポート等で生成AIを利用した場合は、生成AIを利用したと「明記」しましょう。
    • 試験等での生成AIの不適切利用は、カンニングなどの不適切行為と同等に罰せられる場合があります。
    • 学位論文では、生成AIの利用の明記および引用元の明示?明記を遵守してください。不備があると論文審査などに影響を及ぼす可能性があります。
  4. 教育?学修での利用[教員]
    教育?学修の場では、生成AIに関して以下の点にご留意ください。
    • 担当する講義やレポート作成時における利用の可否について適切に判断し、学生へ説明しましょう。
    • 学生の生成AIの利用を完全に禁止するのは事実上不可能です。必要に応じて授業の方法や課題、評価方法を工夫しましょう。
    • 学位論文等の作成において、引用元や参考とした資料など根拠とした出典を明記する必要があります。生成AI利用の明記と引用元の明記を適切に行うよう学生に指導しましょう。
  5. 研究での利用
    研究で生成AIを利用する場合、以下の点にご注意ください。
    • 未公開情報や機密情報を入力しないでください。特に、共同研究等で取り扱っているデータの流出による紛争が生じないよう十分にご配慮願います。
    • 翻訳、校正等での利用の場合は、数値をぼかす?文意をぼかす等を行い、情報の流出にご留意ください。
    • 情報検索?探索で用いる場合、生成AIの情報の鮮度および情報モラル?倫理に注意してくだい。
    • プログラム作成等で用いる場合は、提案された記述例が理解できること、用いているライブラリ等が汚染されていないことを確認した上で使用してください。セキュリティ上リスクのあるコードが出力されることもあります。
    • 実験の生データの処理等を生成AIにさせる場合、利用する生成AIの規約?許諾を理解し、公開してはならない情報が意図せず公開されないようにしましょう。
    • 論文や学会発表の一部に生成AIを利用できるか否かは、関係する学協会等の指示に従ってください。一律に禁止している学協会もありますし、生成AIを利用したことを明記すれば(部分的な)利用は認められている学協会もあります。
  6. 業務での利用
    業務で生成AIを利用する場合は、本学の定めに従ってください。定めがない場合は以下にご留意ください。
    • 生成AIの規約をよく理解した上で利用してください。
    • 個人情報はもとより、情報公開請求があった際に不開示となる情報(独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律第5条各号に定める情報)を入力することは禁止します。
    • 上記以外の情報でも、未公開情報を不用意?不適切に入力しないでください。
    • 生成AIの出力が他者の権利侵害にあたらないかをよく確認してください。
  7. その他
    生成AIの技術は、日々進化しており成長期の過程にあります。今後も急速な技術革新に伴い、本方針が改訂される可能性があります。